鋭いご指摘ですね!結論をいうと、時効が完成していれば戻るコトはありません!

反対に、時効完成前に法改正されて、時効期間が延長されてしまった場合には、その延長された時効期間に従うコトになります! 憲法39条は「法律を改正して遡って処罰することは禁止!」としています。

当時はまったく犯罪行為じゃないのに、後出しジャンケン的な感じで処罰されちゃうと、私達は安心して行動できないですからね! 昔、殺人罪などの時効は15年でしたが、2010年に撤廃されたんです。その撤廃のせいで、時効を獲得できずに強盗殺人罪で起訴された容疑者がいました!

容疑者は「時効制度の撤廃は憲法39条に違反するじゃないか!」と主張したんですね。 しかし裁判所は「あともう少しで時効完成だった場合に法改正して時効制度が撤廃されたとしても、それは憲法違反ではない!」としました…!

理由としては ①強盗殺人は当時から犯罪行為だったんだから、別に後出しジャンケン的に処罰したワケではない ②時効完成したのに遡って処罰するのはNGだけど、アナタは時効完成前なのだから、法改正によって不利になったワケではない というコトらしいんですね!

この判決には賛否両論あります…! ですが裁判所の判断を前提とすると、時効完成しているのに遡って指名手配犯とするコトは許されず、犯人扱いされない、というコトになりますかね!

Lawyer Takahiro Kitagawa

弁 護 士 北 川 貴 啓