肖像権

【ざっくり説明すると…】


→肖像権を侵害する行為それ自体は

犯罪行為ではない


→肖像権にはプライバシー的な側面と

財産的な側面がある


→肖像権侵害といえるかどうかは

被害者の姿が映っていることが

許容範囲を超えているかどうかで判断する



先日、Twitterで

このような質問を頂戴しました。



SNSトラブルで多いのは

やはり著作権ですよね

気軽に画像や動画をアップロードできるようになったからこそ

思わぬ形で他人の著作権を侵害している場合があります。


著作権については

以前、このブログでも

何度か説明しておりますので

今回は肖像権について

わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。




肖像権をわかりやすく言い換えると、
“自分の姿(顔や身体)を
勝手に他人に利用されない権利”
だと思ってください。


写真や動画だけではなく
写実的な絵画も
場合によっては肖像権侵害になります


肖像権侵害それ自体では

犯罪行為にはならないです

なので民事責任を追及して

慰謝料を求めていくことになります。




この肖像権、大きく分けると
2つの側面があります。


ひとつは
プライバシー的な側面、
もうひとつは
財産的な側面です。

財産的な側面(パブリシティ権)
については
主にタレントやスポーツ選手などの
有名人のときに問題になるので
今回は割愛します
(財産的な側面を簡単に説明すると、
“有名人の顔や身体の画像を
他人が勝手に使って金儲けしている場合に
それをストップさせる権利です)。


他方、
プライバシー的な側面というのは
“私の大切な顔や身体を
勝手に他人に公開されたくない!”
というものだと思ってください。

こっちのプライバシー的な側面は
なんとなくイメージしやすいのかなと
思います。


たとえば

Googleストリートビューを見ると
撮影時に近くを歩いていた人の顔が
隠されていますよね。

あれはまさに、
肖像権のプライバシー的な側面に
配慮しているんですね。


もちろん、有名人じゃなくても
勝手に自分の姿を
他人のインターネットサイトや
SNSなどに載せられたら
イイ気分はしないですよね。


では、どのような場合に

肖像権侵害となるのでしょうか。


肖像権侵害になるかどうかについては
簡単にいうと
“許容範囲を超えるかどうか”
なんですね
つまり、
自分の姿を写されている写真や映像が
被害者にとって
“コレは許されないレベル”なのか、
“コレくらい我慢しろレベル”なのか
どっちなのかを
個別具体的に
判断していくことになります。


判断のポイントとしては、

①被害者の顔や身体が
ハッキリ写っているかどうか

②被害者の姿が
写真のメインになっているかどうか

③拡散されやすい場所(ネット・SNS)
に公開されたかどうか

④被害者の精神的ダメージが大きいかどうか
(一般人か有名人か、
建物内で撮影された写真か
公道を歩いていたときの写真か、など)

このようは様々な事情を
総合的に考えて
肖像権侵害かどうかを
判断していくことになります。

たとえば、アルバイト先に提出した

履歴書の顔写真を

他人が勝手に

出会い系サイトなどに公開した場合、

それは、被害者本人が想定していない形で

顔写真が使われちゃっていますよね。


その場合には

①被害者の顔が明確な写真で

②被害者の姿が写真のメインになっていて

③誰でも閲覧できる出会い系サイトに公開されたコトによって

④被害者の精神的ダメージが大きい

といえると思いますので

肖像権侵害になると思います。



肖像権について

なんとなくイメージがつきましたでしょうか。


(※YouTubeチャンネルを

開設しました

そちらのほうでも

いろいろ法律解説をしていますので

是非ご覧になってください!)


なるべく難しい言葉を

使わないようにと心掛けるがあまり

逆にわかりにくくなって

しまったかもしれません。 


 また、専門家の方、

法律の勉強をされている方にとっては

あまりに稚拙で言葉足らずで

説明不足であることも 重々承知しております。


ただ、このブログのコンセプトは

まったく法律を知らない方にとって

少しでも興味を持っていただく

きっかけになればと思い

始めたものですので

どうかご容赦いただけばと思います。



Lawyer Takahiro Kitagawa

弁 護 士 北 川 貴 啓