利息と遅延損害金

【ざっくり説明すると…】


→お金を借りるときの利息や遅延損害金には上限がある


→上限を超えた利息の約束は無効になる


→よくCMで見る「過払金」というのは

無効になった利息の取戻し行為のことです



先日、Twitterで

このような質問を頂戴しました。



特に取決めもしていないのに

9万円が100万円になるんだったら

ぜひ私もやってみたい…笑


そんなラクをして
お金は稼げないですよね。


おそらく貸主は

利息や遅延損害金のことを

主張したかったんだと思います

せっかくですので今回は

借りたお金を返済する場合の

利息や遅延損害金について

わかりやすい言葉で

噛み砕いて説明したいと思います。



お金を借りたときの取決めの中で

利息(りそく)や

遅延損害金(ちえんそんがいきん)

という言葉が出てきます。


利息というのは

"貸した金額に

プラスしてもらえるお金”のことですね

たとえば

「貸金100万円、利息が1年で7%」

だとしたら

借りた人は1年後に107万円を

返済するということですよね

具体的な割合は

当事者間で決めることになります。



他方、遅延損害金というのは

"約束の期限までに

返済できなかったときの

ペナルティ"です。


改正予定の法律のルールでは

遅延損害金を

当事者間で決めなかったときは

基本的には年3%となっていますので

たとえば

「約束の期限から1年遅れて

やっと100万円返済できる」場合には

その100万円の他に

1年遅れたことのペナルティ3万円も

併せて支払う必要があります。



この利息や遅延損害金の割合ですが、

当事者の間で

自由に決めることができます。


「利息制限法」という法律で

上限が設けられています。


利息については
借りた金額によって
年15〜20%、
遅延損害金については
年21.9〜29.2%までしか
取っちゃいけないルールに
なっています。

ですので、この数字以上の
利息や遅延損害金を
支払わなければいけないという

約束を取り交わしたとしても

それは“現在は”無効になります
(利息制限法1条、4条)。

あえて

“現在は”と表現したとおり、

昔は有効だったんですね。

なので昔は
多くの利息を支払う前提の合意をして
一生懸命
支払を続ける必要がありました。

それが、法律が変更され
最大20%を超える部分は
支払わなくてもOKになりました。

なので、
「今まで余分に支払っていた利息を
返してほしい!」
と主張できるようになりました。

これが、よくCMなどでやっている
「過払金(かばらいきん)」のご相談!
というヤツなんですね。


ちなみに余談ですが

利息の割合が

個人が貸す場合は109.5%、

金融会社が貸す場合は20%を

超えてしまう内容で

合意をしてしまうと

その利息の合意は無効であり、

さらに罰則があります

(出資法5条)。



以上、いろいろ解説してきましたが

他人にお金を貸すとき

利息を取ってもOKなんだけど

上限があるんだなぁ、くらいに

思っていただければ大丈夫です。


お金を借りたときの

利息や遅延損害金について

ご理解いただけましたでしょうか。



(※YouTubeチャンネルを
開設しました
そちらのほうでも
法律解説をしていますので
是非ご覧になってください!)
 
なるべく難しい言葉を
使わないようにと心掛けるがあまり
逆にわかりにくくなって
しまったかもしれません。
 
また、専門家の方、 
法律の勉強をされている方にとっては
あまりに稚拙で言葉足らずで
説明不足であることも 
重々承知しております。 
 
ただ、このブログのコンセプトは
まったく法律を知らない方にとって
少しでも興味を持っていただく
きっかけになればと思い
始めたものですので
どうかご容赦いただけばと思います。



Lawyer Takahiro Kitagawa

弁 護 士 北 川 貴 啓