名誉棄損
【ざっくり説明すると…】
→名誉毀損罪は
多くの人が知ることができる状況が必要
→伝える事実の内容が
真実でも嘘でも関係なく罪になる
→実際に名誉が傷付かなくても
その“危険性”さえあればアウトになります!
先日、Twitterで
このようなご質問を頂戴しました。
「名誉毀損で訴えるぞ!」なんて
よく聞いたりしませんか?
オーバーな表現方法をしてしまうと
思わぬカウンターパンチを
食らってしまいますので
注意しないといけないですよね。
ただ、
具体的にどういうコトを言うと
名誉毀損になっちゃうのか、
意外と知らないと思います。
あと、似たような犯罪で
「侮辱罪」というのがあるのですが
コレも違いがわからないですよね。
今回は、
名誉毀損罪の具体的な内容について
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。
「名誉毀損罪」
(めいよきそんざい)
というのは
その名のとおり
相手の名誉を傷付けるコトですね。
名誉毀損罪(刑法230条)が成立する条件は、
(1)多くの人が知ることができる状況で
(2)他人の評価を下げる事実を伝え
(3)実際に評価を下げる可能性のある状態を
作り出してしまった場合、
(4)1ヶ月~3年の間で
裁判所が決めた期間、
刑務所に入ってください
または
1万円~50万円の範囲で
裁判所が決めた金額の
罰金を払ってください
というコトになります。
(1)のとおり
多くの人に知られる状況であるコトが必要なので
「SNSでは
非公開設定にしているから安心だ!」
と思うかもしれません。
しかし、たとえ少人数にしか
伝えていない場状況であっても
その中の人が
多くの人に言いふらす可能性もありますよね。笑
そういった言いふらされる可能性がある場合にも
(1)の条件を満たすことになるかもしれないので
注意が必要です。
また(2)の条件では
あくまで“事実”を伝える必要があります
たとえば
「職場の人と不倫しているらしい!」
「過去に犯罪をしたことがある!」
などですね。
この伝える“事実”は
別に真実かどうかは関係ありません
実際には嘘っぱちであっても
犯罪は成立してしまいます。
(亡くなった人に対する名誉毀損は
逆に、内容が真実であればセーフ、
嘘っぱちの事実を伝えるとアウトです)。
他方で“事実”ではなく
単なる“意見・感想”に過ぎない場合、
たとえば
「あいつは性格が悪いー!」
「この店の料理はマズイ!」
みたいな発言では
名誉毀損罪は成立しません。
(後日、説明しますが侮辱罪には該当します)。
まぁ、何が“事実”で
何が“意見・感想”なのか、
線引きは難しいんですけどね。
そして、(3)の条件は
他人の評価が下がってしまう結果が
実際に発生する必要はありません。
あくまで
評価が下がってしまう“危険性”がある状態を
作ってしまったらアウトになります。
ちなみに名誉棄損罪は
「親告罪」(しんこくざい)
といって、
被害を受けた人が
警察に対して
「犯人を取っ捕まえてくれ!」
と主張しない限り
警察は動いてくれません
ですので
刑事事件として扱ってほしい場合は
警察に「告訴」(こくそ)を
する必要があります。
さて、
どういった場合に名誉毀損罪になるのか、
ご理解いただけましたでしょうか。
ただ、何か発言するたびに
「名誉毀損だ!」と言われると
怖くて
何も発電できなくなっちゃいますよね。笑
ご安心ください
刑法では例外的に
「名誉毀損の条件を満たすんだけど
例外的に犯罪にならない」という場合があります。
次回、そのケースを
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。
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