発信者情報開示請求


【ざっくり説明すると…】


→犯人を特定するためには

IPアドレスが必要


→インターネットサービス会社に対して

ゲットしたIPアドレスを示して

犯人を教えてもらう


→ただ、裁判所からの命令がないと

基本的には教えてくれないんです…



前回の続きです。


前回は
脅迫罪の特徴について
解説いたしました。


今回は
インターネットやSNSなどで
脅迫行為を受けた場合
どうやって犯人を
特定するのかについて
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います
(ネットに疎いので、間違ってたら
どなたか、ご指摘ください…!)。




ネット上で脅迫を受けたり
プライバシーを傷付けられたけど
ドコの誰が犯人なのかわからない…

今そんなトラブルが
多いみたいですね。


でも、大丈夫です
手続は面倒ですが
次のような手順を踏んで
犯人を特定できる可能性があります。




【手順①】
「脅迫された内容が書かれている
インターネットサイトの
運営会社に問い合わせする」



たとえば、
ツイッターで脅迫を受けたときには
Twitterの会社、
インスタで脅迫を受けたときは
Instagramの会社、
2ちゃんねる(5ちゃんねる)などの
匿名掲示板で脅迫を受けたときは
2ちゃんの運営会社、です。


それぞれの運営会社に対して
「こんなヒドイことを書かれました!
犯人を知りたいので
コレを書いた犯人のアクセス場所
(=IPアドレス)を教えてください!」
とお願いします。


もちろん、運営会社も
犯人の名前や住所を
知っているワケではありません。

ですが、
犯人のIPアドレスならわかります。


この“IPアドレス”というのは
数字の暗号です。

ものすご〜くザックリ言うと、
そのIPアドレスが
みなさんが使っている
ケータイやパソコン1台1台に
決められてるんですね。

ですのでIPアドレスは
インターネットの住所みたいなものです

「このパソコンは

IPアドレス○○○○○○だよ」

「あのケータイは

IPアドレス××××××だよ」

的な感じですね。


この暗号が
犯人特定の手掛かりになります
次の手順②に続きます。


(ちなみに、
「犯人は特定しなくても構わない、
書かれている内容を
消してくれればいい!」
という方は、
インターネットサイトの運営会社に
「ヒドイこと書かれてるので
削除してください!」
とお願いすることになります
運営会社によって
すんなり削除してくれる場合もあれば
裁判所からの命令がない限り
削除してくれないところもあります。)




【手順②】
「インターネットサービス会社に
犯人の個人情報を教えてもらう」


インターネットサービス会社
というのは、たとえば
So-netやBIGLOBE、J:COMなど
インターネットをつなぐ回線を
提供してくれている会社です
最近はスマホから
ネットをやりますので
docomoやSoftBank、KDDIなども
当てはまりますね。

これらの
インターネットサービス会社は

皆さんが使っている

ケータイ・パソコンの中で

どれが自社のインターネット回線と繋がっているのか

わかっています。


つまり、

インターネットサービス会社は

IPアドレス情報を持っているんです。



さらに、インターネットサービス会社は、

自社のインターネットサービスを利用している
契約者の情報を持っています。


そりゃそうですよね

契約しないとインターネットを利用できませんからね。



となると

犯人を特定するためには

【手順①】で

IPアドレスをゲットしたあと、

【手順②】で

インターネットサービス会社に対して

「このIPアドレス△△△△△△のケータイ・パソコンを

使っている人が誰なのか、教えてください!」

とお願いするワケですね。


これにより

ようやく、ようやく

犯人が特定できるわけです。




ただ、インターネットサービス会社は

そんな簡単に

犯人の情報を教えてくれるわけではありません。


というのも

「プロバイダ責任制限法」という法律が

ちゃんとあって

教えてくれる場合が限られているんですね。


さらに、

インターネットサービス会社は

警察から捜査の協力をお願いされた場合や

裁判所からの命令を受けた場合じゃないと

基本的には教えてくれないのが現状です。


ですので、

警察が動いてくれない場合、

裁判所に書類を出して

OKをもらう必要があります。


しかも、そのIPアドレス情報は

3ヶ月くらいで消されちゃうことが多いです。


ですので、

裁判所に大急ぎで

書類を出さないと

犯人が特定できなくなっちゃいます。。。



このように、

犯人を特定するためには

たくさんの時間をかけて

たくさんの面倒な手続をやる必要があります

しかもメチャクチャ大急ぎで。


それでも犯人を捕まえたいかどうか

犯人に対して弁償をしてもらいたいかどうかは

慎重に考える必要があるかもしれません。



インターネットやSNSなどで
脅迫行為を受けた場合
どうやって犯人を特定するのかについて

ご理解いただけましたでしょうか。



なるべく難しい言葉を

使わないようにと心掛けるがあまり

逆にわかりにくくなって

しまったかもしれません。


また 専門家の方、

法律の勉強をされている方にとっては

あまりに稚拙で言葉足らずで

説明不足であることも

重々承知しております。


ただ、このブログのコンセプトは

まったく法律を知らない方にとって

少しでも興味を持っていただく

 きっかけになればと思い 

始めたものですので

どうかご容赦いただけばと思います。


Lawyer Takahiro Kitagawa

弁 護 士 北 川 貴 啓