ゴミ持ち帰り
【ざっくり説明すると…】
→捨てたゴミは
捨てた本人のモノではなくなっている
→ゴミの種類によっては
条例で「市町村のモノ」としている場合がある
→勝手に持ち帰るのは罪になりやすいのでやめましょう
先日、テレビ番組で、
日常生活の中でうっかり
やってしまいそうな行為が
有罪になるのか
無罪になるのかについて、
僭越ながら解説させていただきました。
事例がたくさんあり
放送では解説しきれなかったので
各事例について何回かに分けて、
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。
今回は
「捨てられているゴミを
持ち帰ったら罪になるのか」です。
考えるべきポイントは
「捨てられたゴミは誰のモノか」
という点です。
以前のブログでも説明したように
窃盗罪(刑法235条)は
“これ、私のものです!という権利”
(所有権)
を保護しているのではなく
“実際に保管している状況そのもの”
(占有権)
を保護するためのものです。
ですので、捨てられたゴミも
誰かが“実際に保管している”のであれば
窃盗罪となってしまいます。
では、ゴミを実際に保管しているのは
誰なのでしょうか。
まず、ゴミを捨てた本人は
どうなのでしょうか。
みなさんは、捨てたゴミを
「捨てたけど私が保管してます!」
なんて、いつまでも思ってないですよね。笑
おそらく、捨てたということは
「いらないので、あとは勝手にして」
ということだと思いますので
ゴミを捨てた本人は
「保管している状態」をやめているはずです。
ですので、ゴミを捨てた本人との関係では
窃盗罪は成立しません
(ゴミの中を開けてしまったりすると
場合によってはプライバシー侵害の問題には
なる可能性があります)。
では、ゴミ集積場に集められたゴミは
誰が保管しているのでしょうか。
これは、ケースバイケースで
非常に難しいです。
なぜなら、基本的には
“捨てられたゴミは、もう誰のものでもない”
と考えるのが一般的だからです。
ですが、
たとえばマンションなどで
その敷地内にゴミを集めている場合が
あると思います
その場合には
ゴミ収集車がくるまで
“マンション側がゴミを保管している状態”
になりますので
そのゴミを勝手に盗むと
マンションとの関係で
窃盗罪になる可能性があります。
また、多くの都道府県や市町村では
条例(国ではなくて、各自治体が定める規定)で
“リサイクル可能な資源ゴミは
捨てた時点で都道府県や市町村のモノとします”
と決められています
(いわゆるリサイクル条例)。
そうしないと
資源ゴミを勝手に持って帰られちゃって
リサイクルがうまく進まなくなってしまうからです。
また、資源ゴミではないゴミであっても
勝手に持って帰ることを禁止して
それに違反した者に対して
(窃盗罪、という意味でなはなく)
罰金刑を科すような
ルールを定めたりしているところもあります。
ですので
「捨ててあるゴミは
誰のものでもないから
勝手に取っちゃって大丈夫!」
ということでは
必ずしもないので注意が必要です。
捨てられたゴミを持ち帰ったら
なぜ罪になってしまうのか
ご理解いただけましたでしょうか。
次回は
「ファミリーレストランで
勝手にケータイを充電したら
罪になるのか」
について
わかりやすい言葉で
噛み砕いて説明したいと思います。
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