著作権

先日、Twitterで このようなご質問を頂戴しました。 

 「著作権(ちょさくけん)」って、 聞いたことある言葉だし なんとなくイメージはわかるけれど、 どういう権利なのか どんなことをやったらマズイのか イマイチよくわからない方も多いと思います。
 今回はこの著作権について わかりやすい言葉で 噛み砕いて説明したいと思います。


 著作権というのは 著作物に発生する権利のことです 
ではその「著作物」って 具体的にどのようなものなのでしょうか。


 著作権法2条1項1号を わかりやすい言葉で かみ砕いて説明すると 
(1)自分の気持ちや考え方など、 作品を作った人の個性が (2)外から見て感じ取れるような (3)文章や絵や美術作品や 写真や映像や音楽など ということになります。


 たとえば 漫画のキャラクターや 商品のロゴマークなんかは まさに考えた人の 個性が出ていると思いますので そのキャラクター、 ロゴマークを作り出した人に 著作権という権利が発生します。 
 
キャラクターやロゴマークを 作り出した人は 別に プロデザイナーである必要はありません 
小さなお子さんであっても 自分の個性が存分に発揮された オリジナルキャラクター、 オリジナルロゴマークであれば それには著作権が発生します。


 反対に 個性がないものには 著作物とはいえません
 たとえば△や☆は おそらく誰が書いたとしても 同じような形になると思います
 そのマークには 描いた人の個性が出ていないため 著作物とはいえないのです
 (図形であっても個性が光っているモノは 著作物となります(著作権法10条1項6号))。


 さて、著作物として認められる作品には 基本的に 作り出した人に権利が発生します
 どういう権利かというと (1)同じ作品のコピーを作る権利 (2)作品を他人に見せる権利 (3)作品を他人に貸す権利 (4)作品にアレンジを加える権利 などです。


 ということは 他人が勝手に 同じ作品のコピーを作ったりしては ダメということです。
 映画館で映画を見る前に 必ず登場する 「NO MORE 映画泥棒」、 あれがまさにソレです
 勝手に撮影してコピーしたらダメだよ ということです。 


 さすがに映画泥棒なんてしないよ 著作権侵害なんてしてないよ と思ってらっしゃる方が多いでしょう。 


 ですが、知らず知らずのうちに やらかしている方も多いです。 


 たとえば、 スマホで画像検索をしていたら 誰かが撮影した 素敵な夜景の写真を見つけたとしましょう。 


自分のスマホの待受けにしたいな、と思い ダウンロードしたり、 スクリーンショットしたりして 写真を自分のスマホに取り込みました。


 はい、アウトです。


 その夜景の写真は 誰かが頑張って撮影した作品です。  


それをスマホに取り込んだということは その同じ作品を勝手に コピーしたということです。

 
元々の夜景の写真を撮った方が 「私の写真、著作権フリーです!」 としてくれていない限り スマホという 現代の文明の利器によって 一瞬でコピーできましたので 複製権侵害(ふくせいけんしんがい)行為を やらかしたことになります。 


 ちなみに複製権侵害をすると
 (1)1ヶ月~10年の間で 裁判所が決めた期間、 刑務所に入って働いてください (2)または 1万円~1000万円の範囲で 裁判所が決めた金額の 罰金を払ってください (3)もしくは刑務所と罰金の両方です ということになります(著作権法119条1項)。


 でも、ほとんどの方が ダウンロードしていますよね、 スクショしていますよね、 私もたくさんダウンロードしているし スクショしています。


 なのに、逮捕されていませんよね? 


 そうなんです 
結論をいえば 他人の作品を勝手にダウンロードしても スクショしたとしても それだけでは直ちに 複製権侵害にはならないのです。 


それは 著作権侵害にならない 例外的なケースがあるからなのです
 この点については 次回に わかりやすい言葉で 噛み砕いて説明したいと思います。 


Lawyer Takahiro Kitagawa

弁 護 士 北 川 貴 啓